日本一の山といえば、言わずと知れた「富士山」ですよね。
一方、つくば市の山といえば、万葉集にも歌われた霊峰「筑波山」。
ところが、この富士山が実はつくば市にも存在しているらしいという噂がまことしやかに語られているというのです。そんなことが本当にあるのでしょうか? 真相やいかに・・・
実在したつくば市の富士山!?
私たちがよく知る富士山といえば、標高3,776メートルの日本最高峰で世界文化遺産にも登録されたまさに日本のシンボルですが・・・つくば市に存在するという富士山は果たしてどのようなものなのでしょうか。
噂の真相を確かめるため情報を調べると、ツイッターでひとつの投稿が見つかりました。
そこには確かに「山開きなので富士山に登ってきた。」という文章とともに「富士山」と書かれた碑の写真が掲載されています。
なんか、想像していたのと違う・・・
場所はつくば市倉掛の墓地の一角で、学園東大通の「千現南1丁目交差点」から東へ進んだ道の途中。筑波宇宙センターからもほど近い何の変哲も無い場所にありました。
Google マップのストリートビューで確認すると墓地の中に木が生い茂った場所が見えます。
つくば市の富士山の正体とは
この「富士山」、頂上には「千現塚由来」と書かれた碑文が残されていました。
それによると、江戸時代に倉掛地区と近隣の地区で土地の境界争いがあり、倉掛地区の住人が境界確定のために富士山に祈願したところ、元禄10年(1697年)に倉掛地区が勝訴したそうです。それを記念して、当時富士山を眺めることができたこの地に塚を築いたそうです。
そのため、頂上には「富士山」が祀られています。つまりこれは「富士塚」だったのですね。
富士塚とは:
Wikipediaより引用
富士塚(ふじづか)は富士信仰に基づき、富士山に模して造営された人工の山や塚である。江戸時代には一般的に「お富士さん」などと呼ばれ、現代では「ミニチュア富士」(ミニ富士)などとも呼ばれている。
江戸時代に富士山信仰がブームとなり、江戸をはじめ各地に富士塚が築かれました。この千現塚は現在まで残っている貴重な富士塚のひとつなんですね。
つくば市と言えば、「スーパーシティ国家戦略特別区域」にも指定されるなど、テクノロジーを駆使したスマートシティのモデル都市として注目を集めていますが、実は自然も豊かで史跡や伝統文化なども多く残された魅力ある街です。
みなさんもつくば市の街角でひっそりと残されている歴史の名残りを見つけてみてはいかがでしょうか。