つくば市では、乗り合いタクシー「つくタク」において、AIを活用した予約/配車システムの実証実験が進行中です。その実施期間は2023年12月1日にスタートし、2024年2月29日までの予定となっています。
「つくタク」は市内の様々な場所から予約・利用ができる乗り合いタクシーです。しかしこのサービスも10年以上が経過し、いくつかの課題が浮かび上がってきたようです。今回の実証実験では、どのような変革が生まれるでしょうか。
現行の「つくタク」システムの仕組み
現行の「つくタク」システムは、電話で予約が行われています。ユーザーは予約センターに電話をかけて、乗降地点と時間を伝えることで予約が完了、指定した時間になると乗り場までタクシーがやってくる仕組みです。ただし、「乗合タクシー」なので、他の利用者の乗り降りがある場合は直行せずに、近隣や経由地を巡るため、通常よりも所要時間がかかることがあります。
このシステムでは、電話予約のため、予約センターの営業時間内にしか予約できないことや、翌日以降の予約が特定の時間帯に限定されていることが課題となっています。そのため、電話が混雑することも多く、スムーズな予約が難しい状況となっていました。
実証実験で期待されること
実証実験では、MaaS(Mobility as a Service)アプリ「mobi」を用いてAIを活用した予約/配車システムを導入します。これにより、24時間いつでもアプリを通じて予約が可能になり、また、AIによって最適なルートや配車の可否が素早く判断され、効率的な運行が期待されます。
配車ルートのAI活用によって、即座に次のルートが設定できるので、これまでの待機時間を有効活用できます。そのため、特に高齢者などが医療施設への診療や検診で利用するのに便利になるかもしれません。
課題はアプリの普及
実証実験がスタートしてから1カ月あまり。これまで、アプリからの予約が70人以上、電話予約が500人程度だそうです。アプリからの予約はまだ少なく、特に高齢者の利用が限られているようです。今後は、つくば市民へ周知とアプリの普及を目指す必要がありそうです。
つくば市は都市部から離れた郊外は公共交通のアクセスも限られているため、つくタクの利用がもっと浸透するといいですね。